2024年3月31日、深谷公民館で初めて大寄せ茶会の席主を務めました。
目次
<茶会に意味があるのか>
これまで大寄せの茶会を催すことには幾分かの疑問をいだいていました。なぜ一度に大勢の人をお招きし、次々と忙しくお茶を飲んでいただくのか?なんの意味があるのか?
はたして茶会が終了してみると、予想外の展開となり、驚いています。
予想外だったのは、茶会の行われた一日を通じ、生徒一人一人が大きく成長し、それぞれに感慨をもってくれたことです。どんな感慨だったか、茶会のあとに生徒から送られたラインの一部を抜粋してご紹介します。
Aさん「これまでの稽古を含め、茶会に向けて色々教えていただきありがとうございました。先生が今までの準備にどれだけ時間がかかったのかを思い、本当のおもてなしの意味を学ばせていただきました」
Bさん「今日は裏方のお仕事を体験させていただきました。お点前は苦手で、今回のお茶会への参加も遠慮しようと思っていましたが、同じように裏方のお仕事を手伝ってくださった方々や、お客様としてお見えになった同級生や近所の皆様との出会いがあり、とても貴重な体験をさせていただきました」
Cさん「今日はあっという間に時間が過ぎました。最初はうまくお点前ができるか、とても緊張しましたが、皆さんが温かく声をかけてくださったので、自信をもってお点前できました」 などなどです。
<茶会を乗り越えて>
茶会の準備は確かに大変でした。
まず、季節感は何に焦点をあてようか。春といえば桜。でも桜はすでに町じゅうにあふれ、どなたの目も心も桜であふれていることでしょう。目に見えないけれど、感じられる季節感。そうだ「水ぬるむ季節」にちなみ、水や水辺にある生命をテーマにしましょう。
テーマに沿った道具を一つ一つ選び、組み立てる作業はわくわくもしましたが、手持ちの道具だけでは間に合わず、結局、予算を上回る出費とならざるを得ませんでした。
茶会当日までの苦労は数えあげればきりがありません。しかし、終わってみれば充実感に満たされ、生徒一人一人の成長も感じられるなど、収穫の方が苦労をはるかに超えるものでした。当初の疑問は消え、茶会の席主を務めることに大いに意義を感じる結果となりました。
また、稽古に来る生徒たちだけでは150人からのお客様をもてなすのは無理なので、家族や友人を頼ることとなったのですが、この経験もまた、互いの絆を深める結果となり、大きな収穫となりました。
写真は最後にスタッフ全員で一服をいただいているところです。